8 プロセスとしてのテクスト アウトライン・プロセッサーを使う2 くまきち
<辛抱づよいソクラテス>
リライティングの続きから。
ホイスト(今のアウトライナーならズーム)して特定のセクションを残し分類を再検討
アウトラインは文章の論理の要約ではない。
文章の流れを意味的に収まりの良いように分類しただけ
全体の構成の検討
初めは上位のレベル、次に全ての項目を出す。
リライティング作業をしながら、言いたいことや仮説をさらに提示していく。
結果として形式的にも平凡な(収まりのいい)アウトラインになった。
形式的に収まりのいい文章はシンメトリーに支えられた新古典的主義的な文章と何が違うのか?という疑問に筆者がこれから答えていく。
<大文字のライティング>
大文字化
知的操作を加えない普遍的なイメージ。通念。
大文字化した名詞
通念を現実化したもの。
通念:大衆伝達性(すぐ伝わる)、固有性(普遍化)
わざわざ説明しなくてもどんなものか分かるもの。
大文字のライティングには無視することのできない論理的形式が備わっている。
<ブルジョワ・リベラリズムと赤ちょうちん>
日本のポストモダニズムの動きに懐疑的な筆者。
日常生活のレベルでは二項対立の仕組みを脱構築させていない。
二項対立を成立させている構造に対する批判的取り組みを回避している。
現在の社会の仕組みの構造の直視を回避している。
指摘しただけ、片方の項目に新たな価値を付与しただけでは、二項対立の構造そのものは変化しない。
<よい文章の形式>
西洋思想
無差別的無分節の世界→光あれ!→光のコスモス(調和が支配する:構造の確立)
ライティングは権威を確立しようとする欲望に始まり、構造の確立によって行われる
日本
テキストは構造体ではなくプロセスとして存在している。
ポストモダニズム批判
非構造的な世界の存在を認めただけで、一元的な正統性の存在を凝視していない。
ほんとに脱構築している?
解体ではなく作り出すこと、作り出すときのせめぎ合いが大事。よい文章を書くときも同じこと。
われわれにとってのよい文章
構造を作り出し、破壊するせめぎあいのなかに現れる、複数の文化がぶつかり合う世界を見せてくれるもの
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